【フリーランスとして生きる17】ライター みくまゆたん

フリーランスとして活動している方にリレー形式でエッセーを執筆いただいています。第17回はフリーランスとして活躍中のみくまゆたんさんです。

フリーライターのキッカケは愚痴だらけの婚活ブログ

出典:photoac

あれは私がOL勤務15年目、35歳になった頃のことです。

「そろそろ結婚して、会社を辞めた方がいい。あなたの能力では、正直ずっとここで働くことができない」

こう、職場の上司に言われました。

事務職として15年経ち、本来ならベテランの域に達していなければならなかったものの、いつまで経っても仕事のミスが多く、自分でも「早く結婚しなきゃ」と思うようになったのがこの頃です。

そこで、私は仕事を辞めることを前提として婚活を本格的にスタート。同時進行で婚活ブログ「コンパの女王と呼ばれて」も開設しました。当初、ブログの目的は婚活の愚痴を吐きだす場所でしたが、徐々に読者が増え、気がつけば連日1000PVを超えるようになりました。ブログに「彼氏ができました」と書き込めば、コメントが50件来たことも。

「もしかしたら、ブログが仕事になるかも?」と考えるようになった頃、街コンである1人の男性に遭遇します。彼はイベント会社の社長で、街コンサイトのコラムを執筆するライターを募集していました。私は「これはチャンスだ!」と思い、社長に「ライターやりたいです」と懇願。

実績は、当時執筆していた婚活ブログをそのまま提示しました。

婚活ブログを見るなり、すぐに気に入ってくれた社長は「ぜひともお願いしたい!」と言ってくれました。

そして、この日から私の副業ライター生活はスタートします。

社長との契約は、当初1記事500円。決して高いとは言えない金額ではありましたが、顔の広い社長だったこともあり、いろいろな仕事を紹介してくれました。

高単価案件を求めるためクラウドソーシング→大手メディアへステップアップ

出典:photoac

ただ、社長の繋がりから貰う仕事がいずれも低単価だったこともあり、当時話題となっていたクラウドソーシングに登録してみました。当時は文字単価2円、4円の案件がザラにあったので「文章を書いて、こんなにお金が貰えるなんて!」と驚いたものです。

そして私がクラウドソーシングをスタートして半年後、ライターデビューをする人がどんどん増えていきました。

おそらく今後ライターをやりたい人が増えると、初心者ライターの登竜門とも言われているクラウドソーシング案件の単価はどんどん落ちるだろうと予想。そこで、今のうちに記名記事、なおかつ大手メディアの実績を作るべく、手あたり次第に各メディアへ問い合わせ、応募し続けました。

応募先は、なるべく大手出版社、Yahoo!などのトピックに上がりやすい、また、SNSで紹介されることが多い、憧れのライターが執筆しているようなメディアです。単価を上げるためには、まず「この人が書いている」というブランドが大切だと思ったからです。同時進行で、Twitterの更新を毎日欠かさない、noteもマメに更新するといったこともしていました。

もちろん、当時は実績もほとんどなかったし「クラウドソーシング上がりのライターは要らない」と断られたこともしばしば。いざ仕事が決まっても「こんな普通の内容しか書けないの?驚きや発見がないネタしか書けないなら要らないので、なかったことにして下さい」と言われたこともありました。それでも、私は決してめげませんでした。

これまで応募した数は、なんと100件以上。最初こそ落ちまくっていたものの、徐々に書きたいメディアで案件を取れるようになりました。今では、自分から応募しなくてもメディアから仕事依頼が来るようになり、記事報酬も文字単価から記事単価へランクアップしていきました。ここ数年は、自分から応募するというよりは、仕事を選べる、さらに自分のペースで仕事ができるようになったのです。

今では、年々倍、倍といった感じで収入が増えています。今年は自己都合で仕事をセーブしているため収入は減ると思いますが、契約しているクライアント様達はみな私の体調を優先してくれる優しい方ばかり。数年前なら信じられないような好待遇です。

自分でも、まさかここまでトントン拍子でうまくいくとは思っていなかったので驚いています。

一発屋で終わらないために気をつけているのが「ブランディング」

私が目指していたのは同業者が憧れるライターではなく、サラリーマン、OLなど普通に出勤している方々、専業主婦やパートなどで仕事している女性などなど、なるべく同業者以外の人たちにも愛されるポジションを築くこと。

そのため、SNSやブログでは収入公開のような話を一切していません。ノウハウやお金の話をすると同業者しか寄ってこないと考えたからです。(といっても、ノウハウ的な話は時々落としているかもしれませんが)「幅広い世代の人に読まれる記事を書く人になりたい」という思いが根本にあったからです。

さらに地元の企業や法人の方々にも「フリーライターの仕事」というものを知ってもらいたいと考えていたので、地方で開催されているイベント、マーケティング交流会などにもできる限り多く参加していました。

どちらかというと仕事が欲しいから行っていたというより、自由に動き回れるうちに顔を広めておこうという考えがありました。

この頃はすでに私も婚活を経て結婚、妊活を本格的にスタートしていたので「赤ちゃんが産まれたら、絶対に思うように動けない。今のうちに、子どもができたらできなくなりそうな仕事を経験しておこう」と考えていました。

企業や工場に訪問してチラシ、ダイレクトメールのコピーライティング、ホームページ内の文章作成や、イベント取材などの仕事を経験できたのもひとつの自信に繋がったと思います。こうして他のライターがやらないような自分の見せ方や営業方法を考え、実践してきたことが今に繋がっているのではないかと思っています。

フリーランスの難しさは、スタートより続けること

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もちろん、いつまでもこの好待遇が続くとは限らないのがフリーランスの世界。

常にチャレンジ精神と努力が求められる業界なので、ボーっとしていたらどんどん置いていかれます。

しかし、だからといってガツガツ案件を取りまくってしまうと病んでしまうし、自分自身も見失ってしまいます。とくにこの仕事は、頑張れば頑張るほど、仕事が思うように入らない、スランプに陥りやすい仕事だと実感しています。

この仕事の難しさは、まさにスタートよりも続けること。プライベートと仕事のバランスを上手く取りつつ、ずっとこの仕事を続けていけたらと思います。

文:みくまゆたん

みくまゆたん

1979年生まれ。愛知県在住フリーライター。

短大卒業後、中小企業に17年勤めながら趣味でブログをスタート。趣味のブログがキッカケで、ライター業を始める。 現在、数々の媒体でコラムなどを執筆のほか、中小企業のコピーライティング、プレスリリース、地域のボランティア活動等にも携わる。主な執筆領域は恋愛、婚活、妊活、健康、心理、マネーなど。

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