【フリーランスとして生きる11】ライター 佐藤誠

フリーランスとして活動している方にリレー形式でエッセーを執筆いただいています。第11回はフリーランスとして活躍中の佐藤誠さんです。

予期せぬ形でライターになった

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出典:photoAC

 

私は今でこそ、多くの方に支えられ、日々ライターとして活動しています。
しかし、 1年前の自分にとって「文字を書いて生活する」ということは 全く想像だにしないことでした。

「webライターになりたい」とは全く思っていなかったのです。

社会に出てから 、正社員やアルバイトなどさまざまな形態で仕事をしてきました。 そのほとんどがいわゆるブラック企業です。

そこで求められるのは組織の中で「歯車として働くこと」でした 。毎日心と身体を消耗し 疲れ果てて帰宅。 僅かな睡眠をとり、また仕事に向かうといった生活を繰り返していました。

最終的には心と身体を壊してしまい、退職してしまったのです。退職後に再就職先を探したものの、就職先は簡単には見つかりませんでした。

何をすればいいのかわからず途方に暮れている中、出会った仕事、それが 「webライター」でした。

当時、 webライターへのイメージは「文字を書くだけでお金がもらえる簡単な仕事」、そんなものでした。

もちろん、webライターだけで食べていくということは難しいことです。生活費のことも考えて、なんとか飲食店のアルバイトを紹介してもらい、「webライター」としても活動を開始していったのです。

挫折とひらめきが原動力

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webライターとして活動を始めたのはいいのですが、当時はパソコンも使い慣れておらず、業界の知識も乏しいものでした。

webライターとして初めて受けたお仕事は、文字単価にすれば1文字0.3円。1本800文字程度でした。

わずか240円のお金をもらうためにかかった時間は2時間以上。

当時は、ワードとエクセルの違いもあまり分からず、タイピングも不慣れなため、今では考えられないほどの時間がかかっていたのです。

そうしているうちに気づいたのは、webライターは「いかに効率よくスピーディーに質を保った原稿を納品できるか」が収入のカギになるということでした。

自分にライティングのセンスがあるとは思えませんでしたし、差別化になるような専門知識もないと思っていました。

「1本240円の原稿に2時間もかかっていいのだろうか」

次第にそう思うようになり、能力のない自分に失望し、webライターとしてのはじめての挫折を早々に味わっていました。

しかしまだ、子どもは幼い。これからお金も必要。

「とにかくやるしかない」

そう思い、今の自分でもできること・少し頑張ればできることに絞って、徹底的に実践していきました。

わずか240円のためにかけた時間。笑う人もいるかもしれません。しかし、ここで実践したことは、今多くのお仕事いただいていることにも繋がっています。 そして、自分の基礎となっていることでもあるのです。

フリーランスとして 心がけていること4つ

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先ほどお話ししたように、私にはスキルや経験はありませんでした。つまり、この心がけていることは、意識 すれば誰でもできることなのです。

そして、これらは私にとって、フリーランスとして生きるための大切な最低限の心がけと思っています。

私が心がけていることを4つご紹介します。

①解らないことは徹底的に調べる

業務に取り掛かっている上で、解らないことは徹底的に調べるようにしています。

「徹底的に」がポイントで、理解度として人に教えられるぐらいのレベルにまで自分の中に落とし込むのです。

もちろん、そうすることで 時間はかかってしまいます。 しかし、一度自分に落とし込んでしまえば、多くの場面で応用できるようになります。

最初覚えるために時間がかかっても、それを自身のスキルとして活用することができれば、それは何倍にもなって返ってくるのです。

②師匠を作る

自分の中で師匠を作ることも大切です。直接コンタクトを取る 必要はなく「SNSでそっとフォローする」といったことでも構いません。

この師匠を作るという行動は、情報収集はもちろんのこと、自分の目標を明確にして努力 する方向を設定するという意味でも非常に有効です。

フリーランス、特にwebライターは実際にやってみると孤独を感じる場面も少なくありません。

師匠の存在は自分に対しての「起爆剤」となることもあり、同時に自分にとって大きな道標ともなるのです。

③連絡をスピーディーにする

連絡をスピーディーにすることも心がけています。相手(クライアント)の立場からすれば連絡はなるべく早めに返して欲しいもの。場合によっては、連絡の早い人にお願いするというケースもあるでしょう。

とはいえ、こちらにも都合があるので、絶対にすぐ連絡を返さなくてはいけないわけでもありません。私の場合は最低でも12時間以内、通常であれば1時間以内、速ければ即時と決めています。

実際に、このレスポンスの速さがクライアントさんからの信頼につながり、お仕事のご依頼をいただけたことも多々あります。
フリーランスにとって連絡のスピーディーさは仕事に結びつく重要な位置づけといっても過言ではないでしょう。

④活用できるものは全て活用する

私は、活用できるものはすべて活用しています。

たとえば、キーボードのショートカットキーや単語登録・スケジュール管理ツールなど多くのシステムやツールを利用 しています。

「楽をする」というと誤解がありそうですが、なるべく効率化することで心に余裕も生まれてくるもの。

特に私の場合は仕事が詰まると、人一倍精神的に追い詰められてしまうので、必ず余裕を持って仕事をしています。

こうすることで 、必要以上に睡眠時間を削る必要もなくなりますし、仮に 急ぎ のお話 が入ったとしても対応できるようになります。

フリーランスは良くも悪くも自分次第

フリーランスは良くも悪くも自分次第です。

効率が悪ければ収入も伸び悩み、自分も辛くなってしまいます。その一方で自分に合った上手なやり方を発見できれば、収入も伸びていき心に余裕もできるでしょう。

正直私はまだ荒削りな部分もありますし、学ぶべきことも多くあります。

しかし、フリーランスは「こうしたい」「こう変えたい」と思えば、すぐに実行できる仕事なのです。

何もない荒れ地を整え、開発していく ような楽しみがフリーランスにはあるといってもいいでしょう。

これから新たに、副業や専業でフリーランスとして スタートを切りたいと考える方も多くいるでしょう。成功というとおこがましいかもしれませんが、フリーランスとしての安定を築くのは自分次第です。人でも数字でも構いません。自分ならではの目標を設定し、頑張ってみてはいかがでしょうか。

(文:佐藤誠)

佐藤誠
神奈川県在住。電子書籍作家としても活動中の子育てに日々奮闘中のwebライター。
得意ジャンルは子育て・飲食・転職。
「伝える」をテーマに日々執筆に励んでいる。
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