【フリーランスとして生きる14】ライター 藤原卓志

フリーランスとして活動している方にリレー形式でエッセーを執筆いただいています。第14回はフリーランスとして活躍中の藤原卓志さんです。

学生時代から始まったライターという仕事

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普通に生きていたなら「フリーランス」なんて生き方はしていなかったでしょう。もともとは、教員志望だった自分。

人に物事を伝えることが好きだった自分は大学生の時からクラウドソーシングを使い始めました。

当時は「ネットで稼ぐこと」に憧れを抱いており、アルバイト以外にもネットで稼いでみたいという欲求から手を出したと思います。

プログラミングもできない、デザインもできない。自分でもできそうと思ったのが、「サッカー日本代表の紹介記事」でした。文字単価0.6円。

トータルでも、たかだか6,000円程度の案件でしたが、学生の自分からすれば大きな収入だったことを忘れません。

ある意味で、学生時代にこういった案件に関わる経験は大きなプラス要素だったかもしれません。

その後、「新卒フリーランス」という世間的には変わった肩書きで仕事をするようになりました。

フリーランスになって、考えた親と子の関係

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予想通り、親には大反対されました。

地元が田舎で、なおかつ外の世界を知らないと言えるレベル。都会に行ったり、旅行に行ったりしない両親なので、話が通じないのも当たり前かもしれません。

Wi-FIが実家に開通したのが最近の話です。

それほど、ネットに関してうとい両親に「フリーランス」と告げても分かるわけなどありませんでした。

しかし、自分の人生の決断です。親の意見が必要ではないと考えています。

もちろん、親は自分を育ててくれた存在……

しかし、自分の親に対してリスペクトは持てませんでした。毎日、職場と自宅の行き来であまり楽しい人生を送っているとは思えなかったのです。

小さい頃に、子供ながら「この人たちの言った通りに人生を歩んだらつまらなくなる」、そんな危機感を覚えたことがあります。

自分が直面した親と子の問題で、改めて世代間の認識も再確認することができました。

 

この問題はフリーランスだけではなく、普通に働いている人の問題でもあります。しかし、気軽に動き出せるフリーランスだからこそ、率先して動こうとしたのです。

単なるライターとしてではなく、フリーランスである自分がフリーランスを支える存在になれないか、そう考えたのです。

各所で出会ったフリーランスの方たちに、さまざまなヒアリングを行ない、世代間の考えの違いに苦しんでいる若者もいることがわかりました。現在は、札幌で若者と親との悩み相談のイベントを行いたいと思い計画中です。

一概には言えませんが、自分が経験したことを発信することで価値が生まれる。そして、そこに対していち早く行動できるのもフリーランスの醍醐味です。

たまに言われる「フリーランスって自由なの?」について

「みんなが思っているほど自由じゃない」というのが僕の答えです。納期に迫られることもあれば、遊んで暮らすなんてことはもってのほかです。

もちろん、遊びをコンテンツにできますが、結局はそれも仕事。遊びと仕事の境目がなくなってしまうこともあります。

ただ、一つだけ自由なことがあるとすれば、職種や肩書きです。

一つの企業に就職をすると、そこでキャリアアップは完了してしまい、職種も一つに絞られるケースが多くなっています。

デザイナーとして就職すればデザイナー1本に、エンジニアとして就職すればエンジニア1本で生きることになります。

もちろん、その職種が好きなのであれば良いですが、途中で別の職種に移行するのは難しいでしょう。

しかし、フリーランスになると職種の垣根を越えることができます。デザイナーの人が知識を得ることでライターに、ライターがエンジニアになることもできます。

自分自身もライターからスタートして、現在はフォトグラファー、動画編集者など肩書きが新しく増え、仕事の幅が広がりました。

その分、できる仕事も増えていき、一人で大きな仕事を回す機会も増えています。

「毎日に変化をつけながら仕事ができる」
「ルーティン的な毎日が存在しない」

自由に自分のやりたいことを手につけて新しいことに挑戦していけるのが、フリーランスという働き方の最大のメリットだと思っています。

フリーランスは目的を叶えるための一つの手段でしかない

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人生の中で何を成し遂げたいのかにフォーカスすることが大事だと思っています。

親が子供に「何になりたいの?」と聞くことがあると思いますが、あの言葉が嫌いです。「どう生きたいの?」が適切な質問だと、世の中の親御さんに言いたいです。

「この会社で業績をあげてトップに立ちたい!」
「自分がやりたいことができる会社に出会えた!」

と思い、その企業で務めているのであれば、とても幸せなことです。しかし、現在務めている会社に不満を抱えている人も多いでしょう。

それは働き手と勤め先のミスマッチが起こしていること。もしかすると、フリーランスという働き方が不満を解決できるかもしれません。

ただし、フリーランスという働き方も一つの手段でしかありません。

僕自身も自分の人生目標と同じことをしている企業があれば、いつでもジョインしたいと考えています。就職して受けられる恩恵もあれば、フリーランスとして活動して受けられる恩恵もあります。

どちらが自分の人生に必要なのかをよく見極めて選べる思考が重要だと考えています。

周りへの感謝と、後世への還元ができる場所を作りたい

正直、自分に実力があるとは思いません。どちらかといえばない方でしょう。ただ、人生を振り返ると、さまざまな大人に助けてもらってきたことは大きいと思っています。

クラウドソーシングセミナーに行った結果、その人とお仕事をさせてもらえたり、現在はそのクラウドソーシングの事業に関わることができたり。

「周りに恵まれている人生である」と言えます。

決して才能があったわけでも、実力があったわけでもない僕をここまで育ててくれたのは、そこに関わってくれた大人が優秀であったから。

なので、これからは関わってくれた人に何か恩返しができるように尽力していく予定です。

また、自分がそんな大人になるためにも、これから新しい可能性を試したい人やこれからフリーランスになりたい人に還元できればと考えています。本業はもちろんのこと、そうした取り組みに力を入れていきたい。そう考えています。

(文・藤原卓志)

藤原卓志

北海道出身のwebライター。旅行・フィンテックをメインに執筆中。取材のため、国内外問わずに移動を繰り返すライター。SEOライティング以外にも、インフルエンサーマーケティングなどにも携わっている。ウェディングフォトグラファーや動画編集者などの仕事も受注。

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