フリーランスになると自分で確定申告をすることになります。そこでよく迷うのが、青色申告と白色申告どちらにするかという点です。

「白色申告の方が確定申告書類を作るのが簡単と聞いた、でも青色申告を選べば税金の控除があるみたいだし…」と、どちらにするかを迷われている方のために、今回は青色申告と白色申告の違いをご紹介します。

書類作成が簡単な白色申告。ただしデメリットも

確定申告書類の作成を簡単にしたい、と考えるならば白色申告を選ぶといいでしょう。白色申告の場合であっても取引の記帳をし、帳簿を残す必要がありますが、記帳する項目は少なめです。具体的には以下の通りとなっており、帳簿の中に取引の年月日・金額・売上先・日々の合計金額を記載します。納品書や請求書の控えを保管している場合は日々の合計金額のみで構いません。

  • 売上に関するもの
  • 仕入れに関するもの
  • 売上以外の収入
  • 経費に関する記録

記帳内容もシンプルなため、白色申告が良さそうだと思うかもしれません。しかし、白色申告にはデメリットもあることを把握しておきましょう。

詳細は後述しますが、青色申告では税務上の特典がいくつかある反面、白色申告には特典が全くありません。また、以前は帳簿の保管義務はありませんでしたが、2014年からは青色申告同様に確定申告後も7年間保管しないといけなくなりました。

フリーランスになったばかりならともかく、長く事業を続けるつもりならば白色申告を続けるメリットはほぼないと考えていいでしょう。

簡単な青色申告方法もある?

さまざまな特典もあるため青色申告をおすすめしたいところですが、書類作成に手間がかかることから抵抗があるかもしれません。そのような方は青色申告の中でも「簡易簿記」を選んでみていかがでしょうか。

簡易簿記であれば、確定申告時に準備する帳簿は以下のもので済みます。

  • 現金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 経費帳
  • 固定資産台帳

白色申告と比べても帳簿の数はほとんど変わりません。しかし、簡易簿記の場合、所得からの税金控除(青色申告特別控除)が10万円あります。事業に必要なものを経費扱いで揃えることもありますので、青色申告を申請しておくほうがお得だといえるのではないでしょうか。

なお、青色申告で簡易簿記を選択する際の申請方法ですが、税務署に提出する「青色申告承認申請書」に「簡易簿記」「複式簿記」の選択欄がありますので、その中から「簡易簿記」を選ぶだけです。その他に必要な書類はありません。

多くのメリットがある複式簿記での青色申告

売上を伸ばしていくと、それに伴い経費も増えていくこともあります。青色申告の簡易簿記を選択していた場合、税金の控除は10万円までです。10万円以上の控除が必要だと考えるならば、青色申告でも「複式簿記」を選択してはいかがでしょうか。

複式簿記では貸借対照表や損益計算書などの「財務諸表」を作成し、確定申告時に提出する必要があります。白色申告や単式簿記の青色申告よりも手間がかかることは否めません。しかし、その手間をかけてでも得たいメリットがあるのです。

まず挙げられるのは所得から税金の控除(青色申告特別控除)が65万円まで受けられることでしょう。それ以外にも事業で赤字を出してしまった場合、純損失の繰り越しが翌年以降3年間可能になるという利点もあります。長く事業を続けていきたいフリーランスならぜひこのメリットを受けられるようにしたいものです。

単式簿記より複雑な複式簿記の作成ですが、会計ソフトを利用すると簿記や会計の知識がなくても作成することができます。フリーランスになり青色申告承認申請書を出すならば、あわせて自分に合った会計ソフトを探してみてはいかがでしょうか。

まとめ 

 帳簿付けが簡単な白色申告、帳簿付けに少し手間がかかるものの10万円の税金控除がある単式簿記の青色申告、書類作成が複雑な複式簿記の青色申告と、フリーランスの確定申告の方法はいくつもあります。

フリーランスとして事業を始めるならば、どの申告方法が有利なのか、また自分に合うのかを考えておきましょう。

(文 ファイナンシャルプランナー 田尻宏子)

 

 

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