書こうとしている記事と類似のものがすでに多く世の中に出ている場合、その中で出色のでき栄えの文章を書くことが時折難しいと感じます。また、書いている記事のニーズがそれほどにあるのか、という疑問も生じ、執筆する上でのモチベーションが保ちにくくなる、というのが悩みです。例えば、最近は「〇〇県の日本酒」についてのライティング案件を引き受けてみようかとも思いましたが、すでによく情報を調べて整理してある優れた記事があったので、記事の存在意義について疑問をもち、結局応募しないままで終わってしまいました。
30代 女性 ライター カリナさん(仮名)
ライターを始めて間もないカリナさんは、自分が書こうとしている記事と類似の記事が多いことに悩んでいます。確かに、インターネット上には似たような記事が多くあります。それでは、似たような記事の存在は意味のないことなのでしょうか。
似たような記事がたくさんあるということは需要があるということ
よほどニッチな分野でない限り、似たような記事が載っているサイトはたくさんあります。例えば、「フリーランス」と検索してみてください。当然ですが、フリーランスに関する記事がでてきます。特に1ページ目は似通った内容が多いことがわかると思います。
では、なぜ似たような記事がたくさん出てくるのでしょうか。
検索の上位に表示される記事は、それだけ、検索した人が多いことを示します。つまり、その情報を欲している人が多いということになります。
「似ている」は同じではない
質問にあるように特定の地域の日本酒について書いた場合、銘柄も限られてきますし似通った内容になるのはあり得ることです。
ただ、「意味がない」と考えるのは早計です。
まったく同じことを書いても、元の文章をマネしない限りまったく同じになることはあり得ないのです。むしろ、読みやすさや情報量で差別化を図ることも可能です。
例えば、お酒の記事の場合、一滴も飲まずに書いている人と、実際に味わって書いている人では大きな差が出てくるでしょう。これは、旅行記事だったり、食記事だったり、さまざまな記事で言えることです。
また、読者は自分の意見と似た意見を求めたり、特定の意見を探したりするために似たような記事を多く読む場合が多々あります。そうしたときに、「読みやすさ」「情報量」「リアリティ」といったことは武器になるのではないでしょうか。
自分が詳しい分野を極めるもよし、とことんリサーチするもよし。とりあえずは自分の武器になるものを探してみてはいかがでしょうか。
(文:日向あおい)