フリーランスとして働いている人の中には小さなお子さんを抱えているという方も多いでしょう。そうした方にとって、仕事と子育ての両立はもっとも重要な課題といえるかもしれません。また、子育てにかかるお金も半端な額ではありません。「子育てにはお金がかかるもの」お子さんをお持ちの方ならどれもがそう考えるのではないでしょうか。でも、実際どれくらい必要か確認したことがあるでしょうか。
・学校に通うとどれくらいお金がかかるの?
・子育て費用をカバーする方法はあるの?
・子育てとバランスが取れる「ちょうどいい」仕事はないの?
このような悩みを持っている方も多いと思います。そこで今回は、「子どもの年代別学校にかかるお金」「家計のやりくり術」「子育て中の公的支援」、3つの視点から解説します。
子育てにかかるお金の目安ってどれくらい?
まずは、実際にかかるお金の目安を確認しましょう。やはり大きく費用がかかってくるのは「学校」。親としても「子どもの進学」を考えると、なかなか胃が痛い思いをしますよね。ここでは大きく分けて以下のような年代で解説をしていきます。
・保育園・幼稚園
・小学校
・中学校
・高校
・大学
ここでの目安は、塾や習い事などの費用は含んでいません。しかし、「最低限かかるお金の目安」として考えておきたい金額です。ひとつずつ、詳しく確認していきましょう
保育園・幼稚園
共働きや一人っ子といった保育を必要とする家庭には欠かせない保育園。一言で「保育園」といっても、認可保育園と認可外保育園の2種類があります。保育料で言うと、認可保育園は世帯所得が基準となりますが、平均としては2万円程度です。それに比べて認可外保育園は少々割高。世帯所得は関係なく空きがあればすぐ入れるメリットはあるものの、各保育園で定めた金額となり平均は5万円程度となります。
ここまで金額に違いがあるのには、理由があります。認可保育園の場合は自治体からの補助金があり、認可外保育園は補助金がないからです。とはいえ、最近では自治体によって独自に補助をしているケースもみられます。 また、幼稚園の費用は「私立」と「公立」によって違います。通う期間も一般的に、私立は4歳から6歳までの3年間、公立は5歳から6歳までの2年間となっています。年間の費用も公立は22万円程度、市立は50万円程度とおよそ倍になります。
また、一定の条件はあるものの、2019年の10月から「幼児教育無償化」がスタートします。幼児教育無償化は、給食費やその他の費用になりますが、施設によっては無償の対象外となる場合もあります。しかし、保育園や幼稚園に通う子どもを持つ親としては、家計への大きな手助けとなるでしょう。
小学校
意外かもしれませんが、実は小学校の時期は「将来かかる費用の貯蓄時期」と呼ばれています。もちろん、入学にあたっては学用品といった揃えるものもあり出費が多くなってしまいますが、相場としては安くなります。公立の場合だと「授業料」は無料のため、およそ年間30万円程度が相場。年間では2年生が一番安く25万円、一番高い6年生でも40万円と貯蓄しやすい時期と言えそうです。私立の場合は「授業料」かかり、年間100万円を超えることもあります。ただ、細かい条件はありますが私立の場合でも補助金の対象となるケースもあるでしょう。私立か公立かは、家庭の経済状況や事情を踏まえて考えたいところです。
中学校
中学校になると学費の年間総額は上がってきます。公立の場合およそ48万円、私立だと135万円。やはり小学校よりは高くなってきます。部活動が盛んになり、必要な道具といった活動費も多くなります。さらに、この頃は育ち盛りなので食費も多くなってくるでしょう。また、私立の場合は遠方に通うことも多いため通学費もプラスされます。保険や児童手当を有効に活用するといいかもしれませんね。
高校
これまた意外かもしれませんが、中学よりも高校の方が費用面で安くなると言われています。これは、2016年から開始された「高校授業料無償化」によるものです。高校授業料無償化は公立高校・私立高校を問わず、授業料相当額を国が支給する制度。年収約910万円未満程度の世帯の生徒が対象となります。月額9,900円を限度額としており公立であれば実質無料です。私立の場合、差額分に関しては家庭での負担となります。とはいえ、年間11万8,800円の支給になるので家計には大きなプラスと言えますよね。
大学
大学になると、費用の総額は500万~600万が相場です。ただこれは、希望する大学・学部によってかなりの差があります。医学部の場合では初年度で1,000万超えるところもあります。加えて、注意しておきたいのが「合格後の納入金」です。「合格後の納入金」が期限内に収められないと、合格取り消しになるケースもあります。希望の大学が決まった段階で事前に調査しておくことが大切になってきます。 また、子どもが一人暮らしをするとなると仕送りも考えなくてはいけません。仕送りの相場は月7万円程度。ここも含めて大学選びは検討した方が良さそうです。
子育てにはお金がかかる!みんなの家計やりくり術は?
ここまでは、学校を中心に子育て費用を説明してきました。一般的に言われている「子育ては1000万円かかる」というのも納得できるのではないでしょうか。しかし、それと同時に「費用はわかったけど、実際にどうすればいいの?」といった疑問もあるでしょう。ここからは、実際の家計のやりくり術について以下の項目について解説していきます。
・実家に頼る
・節約レシピ
・パートやクラウドソーシングの利用
・公的支援
この4つのやりくり術から「上手に節約しながら、同時に手元のお金を増やす」といった方法をお伝えします。
実家に頼る
家計のやりくりの一つとして実家に頼るといった方法があります。食費や交通費・施設費などを出してもらえれば節約にはなります。おじいちゃん・おばあちゃんからすると、孫はかわいいもの。ついついお金を使ってしまうといったことは良くあるでしょう。最近では「孫破産」といった言葉もあるくらいです。節度を守って、老後資金まで使ってしまわないように「ちょうどいい」頼り方をしたほうが良さそうです。
節約レシピ
パパ・ママ・子どもといった3人家族の場合、食費の平均は5~6万円と言われています。おおよそ4万円代に押さえていれば、節約していると言えるでしょう。とは言っても、なかなか節約のためのレシピは思い浮かばないかも知れませんね。このサイトレシピ大百科では、料理名や食材でレシピ検索できるので、冷蔵庫の余り物を使って料理ができるかもしれません。また、節約レシピを駆使して買い物回数を減らすといったことも同時にできると、節約の効果は倍増しますよね。
パートやクラウドソーシングの利用
パートやクラウドソーシングの利用により収入ベースを上げるといった方法も有効です。パートであれば、お昼の短時間だけといった働き方も可能ですし、時間にとらわれない働き方もできます。特に、近年のクラウドソーシングの普及率は高く「ランサーズ」や「ココナラ」といったクラウドソーシングサービスもあります。子どもが小さいうちは、なにかと手がかかるもの。時間の都合が付きやすいクラウドソーシングはうってつけといえます。在宅で月5万円を稼ぐのも決して難しくはありません。
公的支援を調べてみる
公的支援も家計には大きくプラスになります。たとえば、出産後もお金がもらえる出産手当金や一律支給の児童手当、医療費が無料になる医療費助成といった制度があります。また、地域毎に独自の支援を行っている場合もあり、市役所や子育てセンターなどに出向いて調べてみるのもいいでしょう。特に独自支援に関しては、自分で調べないとなかなか情報が得られないといったことも多くあります。
子育て中の公的支援を調べてみよう
内閣府の公式サイトでは子育てのお金に関わるさまざまな施策・制度について記載されています。今回はその中でも全国共通の公的支援である、以下の制度について解説します。
・出産手当金
・児童手当
・医療費助成
先程お伝えしたように、公的支援は地域毎に独自で行っている場合もあります。独自支援については必ず確認しておきましょう。
出産手当金
出産手当金は、国民健康保険意外の被保険者が出産のため会社を休む場合に受けられる手当金です。基本的に、出産予定日の42日前から出産の翌日以後56日目までの会社を休んだ期間が対象です。1日あたりの支給額は標準報酬日額の3分の2相当額となっていますので、会社の総務担当者に確認をとりましょう。 また、似たような制度で、出産育児一時金があります。これは、子ども一人につき42万円を支給する制度で、大きな病院の場合では退院時に入院費や出産費と相殺してくれるため出産にかかる経済的負担を軽減できます。
児童手当
児童手当は、地域によっては「子ども手当」とも呼ばれます。これは、中学生以下の子供を持つ世帯に、一律で支給されます。注意点としては所得制限があり、子供の年齢などによって手当の金額が変わること。 所得制限は、扶養親族がいない場合、所得額622万円・扶養親族等が1人いる場合は660万円・2人いる場合は698万円と決められています。また、子どもを養育している父母のうち、所得の高いほうが対象となります。支給額は以下の通りです。
・3歳未満の子どもがいる家庭は一律1万5,000円
・3歳から小学校修了まで第1子・第2子が1万円
・3歳から小学校修了までの第3子が1万5,000円
・中学生は一律1万円
・上記の所得制限以上の家庭はいずれも5,000円
受給には居住している市区町村への申請が必要です。
医療費助成
医療費助成は、子どもが怪我や病気で医療機関を受診した際に、都道府県と市区町村から受給できる助成のこと。専用の保険証が発行され、満1歳未満の乳幼児は、すべての都道府県及び市区町村が医療費の助成を実施しています。乳幼児以外の場合は、対象の範囲が都道府県によって異なる場合もあります。
・3歳未満の子供の通院のみ
・18歳の子供の通院・入院
といったようにかなりの違いがあるので、在住の自治体への確認が必要です。
子育てとお金のやりくりを両立して明るい家庭に!
子育てにお金がかかるということは否定できませんが、さまざまな方法でやりくりが可能です。
・出費の金額を押さえておく
・パートやクラウドソーシングを利用して収入を上げる
・収入を上げると同時に地域の公的支援を調べて利用する
仕事と地域の公的支援をあわせて子育てとお金の問題を両立させることで、余裕も生まれるでしょう。余裕が生まれると、家庭は明るい雰囲気になるもの。その明るさも、子育てにおいて大切な要素のひとつなのではないでしょうか。
(文:ファイナンシャルプランナー佐藤誠)
得意ジャンルは子育て・飲食・転職。
「伝える」をテーマに日々執筆に励んでいる。
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