フリーランスとして活動している方にリレー形式でエッセーを執筆いただいています。第4回は医療記事を中心に数多くの記事を手掛ける加藤良大さんです。
自分は能力が低いワガママ人間だった
上司のやり方に疑問を感じ、ぶつかった結果、会社を退職することに決めました。
当時、自分は実家暮らしで貯金もなく、次の仕事もまともに探さないダメ人間でした。
実家暮らしでも、月10万円ぐらいは稼がないといけない。でも、働きたくない。
そんな自分が在宅ワークを調べ尽くした結果、見つけたのがwebライターの仕事です。
最初は、SagooワークスやShinobiライティングで文字単価0.25円の案件をこなしていました。
500文字130円ぐらいの案件を1時間に3,500文字書いて、やっと時給換算910円です。
それを1日8時間、21日労働で約15万円の収入を得ていました。
この額は、前職の給与とほぼ同じです。
しかし、福利厚生や保険のことを考えると、前職よりも圧倒的に収入レベルが低く、このままライターを続けることはできないと感じていました。
ようやく自分に火がついた
そんなとき、新たな家族ができました。
このままではいけない、何とかしないといけないという気持ちが強くなっていきます。
人生に対するモチベーションが低かった自分に火がついた瞬間でした。
ちょうどその頃でした。登録後に放置していたランサーズで1通のメールが届いたのです。
「ランサーズの運営が扱っている案件をやらないか」
自分の能力を認めてくれたわけではなく、ただ人数が欲しかっただけのようですが、当時の自分からすれば信じられない高報酬1500文字1,500円だったため、二つ返事で受けました。
自分の能力を踏まえると、月30万円分が限界だったのですが、何とか這い上がりたい気持ちが強かったため、1日3万文字換算で月400記事、合計60万円の案件を受注しました。
当時、赤ちゃんだった息子を膝の上に乗せ、寝かしつけながら徹夜で仕事をしたことを懐かしく感じます。
ライターとして認められる
当時は、webメディアが乱立していた時代だったので、案件は次から次へと舞い込み、ライターを本業として続けられるようになりました。
最初は、それほど高い評価はいただけませんでしたが、医療ライターとして生きていくことを決めてから、高評価を得られるようになりました。
ようやく、1人のライターとして認められた気がして、とても嬉しかったのを覚えています。
私のモットーは、「クライアントファースト、自分もファースト」です。
クライアントを第一に考えることは大切ですが、ライターとクライアントは対等な関係です。
相手のことも考え、自分のことも考えることがフリーランスには必要だと思っています。
フリーランスだから家庭がうまく成り立っている
在宅で仕事を始めた理由はネガティブなものでしたが、今となっては在宅で仕事できてよかったと感じています。
在宅ワークであれば、家事の協力や育児の参加が容易になります。お互いの大変さが目に見えるため、どちらかがもう一方の役割に文句を言うこともありません。自分は2人目の子供が障害を持っており、自宅療養しています。今は、隣に娘の椅子を置き、様子を見ながら仕事をしています。
サラリーマンとして働いていたら、家事の協力や育児の参加はできていなかったでしょう。
私は、仕事は人生のおまけだと考えており、家族を守り家族が幸せになることを第一に考えています。この考え方に基づいて生活できているのも、フリーランスになれたからだと思っています。
フリーランスはいばらの道だが歩きやすい道に補装することは可能
フリーランスになろうと考える方が抱える不安は様々ですが、その一つに収入の安定度があります。
ライターは、クライアントの事情だけではなく、googleの事情にも収入が左右されます。
私の場合、近年のGoogleアップデートなどの煽りを受け、全盛期よりも医療案件は減っています。また、医療従事者の医療ライターがかなり増えてきているため、競争には不利だと考えています。
今後、さらに医療案件は競争率が高くなっていくでしょう。そうした業界の変化に柔軟に対応するためにも、今のうちに他のジャンルを開拓していこうと思っています。今では、法律やM&Aなどの案件も請けており、医療専門ライターだった頃の収入と同等となっています。
また、20人ほどのクライアントから少額ずつ請けることで、リスクを分散させています。ライターという職業がなくなることはないと考えられますが、いつ何が起こるか完璧に予想することは不可能です。だからこそ、いろいろな収入源を確保し、安定することが重要なのではないでしょうか。
このように、フリーランスはいばらの道ですが、「歩みやすく補装すること」は可能です。
フリーランスを目指している方や副業でライターを始めようと考えている方の参考になれば嬉しいです。
執筆実績10,000本以上の医療・美容ライター。情報の正確性とわかりやすさは専門家からも高評価を得ている。歯科・皮膚科・美容外科・呼吸器科・消化器内科など幅広く執筆。美容を絡めた肌ケアやヘアケア、医療脱毛などの記事も執筆。