M SPACE DESIGN 前川達人、2017年に個人事務所を設立。2018年現在、ロゴ実績732社。そんな彼の想像の原点は紙とペンだという。
ONもOFFも関係ない
優れた音楽家は絶対音感があるという。日常のあらゆる音がドレミで聞こえるという絶対音感。これは、さまざまなクリエイターに当てはまるのではないだろうか。ロゴデザイナー前川は、日常のあらゆるモノ・コト、瞳を通して入ってくる情報は、すべてデザインへと結びつく。
今日は一日、休みにしよう。そう決めても、脳は常にONの状態だ。朝起きてから寝るまで、無意識の状況下でも常に情報はインプットされてくる。ちょっとした散歩でもスケッチブックは欠かせない。
「疲れない?」そう、尋ねられたことがある。
しかし、前川にとって、これはごく自然な状態であり、むしろ、創りたいものが次々に浮かんでくる至福の時間だ。モノづくりを生業として生きる者にとって、日々インプットされる情報は「想像」をかきたて「創造」へと結びつける源泉なのだ。
前川は、いつも呼吸をするように何かを考えている。ONOFFの境界はない。
起業のサービス価値を社会に向けて発信する
「自分のセンスと才能で飯を食っていく」
そう決めたのが17歳のとき。年月が流れた今、細胞レベルでクリエィティブが染みついている。「描きたい」「創りたい」という衝動はますます募るばかりだ。
「日常の中で多く目にするロゴ。それは単なるマークではない。独自のサービスや価値を社会に向けて発信するアイデンティティとして存在している」
そう前川は言う。
起業のイメージを端的に表し、ブランディングに向けて戦略的に発信する。その要となるロゴに命を吹き込むのがクリエイターの仕事だ。
(文 しらいはるか)
クライアントの企業理念や事業にかける「想い」をデザインの「核」とし、時代の背景に左右されない、独創的且つキャッチーなミニマルロゴや、未来感溢れる先進的なロゴを得意とする。2017年 ロゴ/アイデンティデザインに特化した個人事務所エムスペースデザイン設立。